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当計算数理科学分野は、現在「情報科学研究科」に所属しています。機械系から、情報科学研究科に進学できる、数少ない研究室です。分野を担当している山本教授は、これまで、20年以上にわたり数値流体力学(CFD)研究を行ってきました。約10
年間工学研究科航空宇宙工学専攻に所属の後、2004年に現研究科へ異動しました。同じく佐野助教授は、2005年に当研究室に異動しました。佐野准教授の専門はコンピュータアーキテクチャです。CFD研究は、ここ20年間で急速に進展したおかげでかなり成
熟した状況にあります。その解法や計算コードはもはや出尽くし たという者もおります。ある意味ではその通りで、従来型のCFD研 究を続けていたのでは、研究の進展を図ることは難しいでしょう。
当研究室は、そのような従来型の研究手法にとらわれることなく研 究の視野を飛躍的に広げるために、異なる研究分野との研究の融 合に積極的に取り組んでいます。CFD研究の基盤はあくまで流体工学ですが、当研究室では、計算機工学との融合、化学工学との融合、などを推進しています。今後さらに、他分野との融合を模索します。特に、CFD研究を専門とする山本教授と、コン
ピュータアーキテクチャを専門とする佐野准教授が協力することにより、これまでは輩出し得なかったマルチ対応型の研究者・技術者を養成します。すなわち、
情報科学・数値計算・プログラミングに精通した機械工学研究者・技術者の養成、特に、
- 最新のコンピュータ技術に精通した計算数理科学研究者・CFD技術者の養成
- 計算数理科学・CFDに精通したコンピュータアーキテクチャ研究者・技術者の養成
です。当分野を修了する学生は、これら異なる分野の知識、技術そして研究能力を身につけることにより、企業や研究機関で、他者を大きく引き離した研究能力・技術力を発揮すること
ができると期待しています。
H19年度から、新職位制度に伴い、計算数理科学分野は、山本教授と古澤助教を中心とする山本・古澤研究室と、佐野准教授を中心とする佐野研究室が合同で運営することになりました。学生は、
それぞれの研究室に所属して、それぞれの研究室に関連した研究を実施することになります。ただし、学生教育は、 計算数理科学分野一体で行います。当分野では、CFD研究と、コン
ピュータアーキテクチャ研究の融合を目指した研究が行われてい ますので、二つの研究室は教育上のみならず研究上においても、 密接に連携しながら運営されています。
機械工学研究者・技術者が、コンピュータアーキテクチャ、コンピュータネットワーク、プログラミング言語(C++、Fortran、OpenGLなど)に精通することにより、単に機械工学を身に着けた研究者・技術者に比べて、広範囲の職種において、優位に活躍することができます。これまで修了・卒業した当研究室のOBは、下記のような様々な企業等で活躍しています。
修了生・卒業生の主な就職先
三菱重工、東芝、日立製作所、トヨタ、日産自動車、三菱自動車、JR東日本、JR北海道、新日鐵、エクソンモービル、出光興産、野村総研、松下電器、東京ガス、東北電力、東北大学など
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このページを見た方が、ちょっと得する?安心する?話をした
いと思います。
当研究室は、学部が機械・知能航空工学科の航空宇宙コースに所属しています。山本教授の助教授時代の名残りのようなものですが、学部が航空宇宙コースなのに
どうして大学院が情報科学研究科なのかと、ボヤいている学生が時々当研究室に配属されてきます。 また、情報にいったら、「学位が情報科学になってしまう」、
「情報関連の企業にしか就職できない」、「航空宇宙の勉強がで きない」などもよく聞きます。たしかに、学位が情報科学になってしま うというのはどうしようもありません。「情報科学」の肩書きは、むしろ時代のトレンドだと思いますが、でも肩書きとして情報科学が嫌な学生さんは、配属の際、まず当研究室は絶対希望しないでください。就職につい てはどうでしょう。ご安心ください。就職の窓口は機械系ですので、工学研究科の学生とまったく同じ手続きで就職先が決まりま す。就職先も、上記の通り広範囲の分野に亘っています。さて、三番目はどうでしょう。航空宇宙の勉強ができない。
実はここだけの話にしておきますが、情報科学研究科のカリキュ ラムは、ものすごく柔軟です。工学研究科では、各専攻の専門科目をかなり選択必修しなければなりませんが、情報科学研究科では、基礎・専門の4科目以外は、実質的に研究科内外の何を履修
しても、指導教員が認めさえすればOkです。学部の講義でさえも Okです。現に当研究室の学生は、工学研究科の流体・航空関連の講義をはじめ、経済や語学関連の講義なども必要に応じて履修しています。したがって、場合によってはゼネラリストも養成できるカリキュラムなのです。ご存知でしたか?
そもそも講義以外のすべてのカリキュラム、インターンシップ、分野セミナー、修士論文発表などは、機械系に所属する工学研究科と情報科学研究科の研究室は一体で実施されています。
これからの時代、情報科学の知識は必須でしょうね。情報科学に長けた人材は、あらゆる分野で不足しているため希少な存在であり、また渇望される存在です。特に機械工学の分野においては。
皆さんの将来を長期的に見据えて、周りに流されることなく、本当に必要なものは何なのかをよく洞察しながら、皆さんの将来の進路を決めましょう。その答えが、我々の研究室にあると思われたのでしたら、ぜひとも一緒に研究しましょう。 |
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