前処理法に基づく凝縮流体・固体熱伝導連成問題の数理モデルと計算スキーム

 我々は、これまでに前処理法に基づく熱対流問題の数値シミュレーションに取り組んできたが、実は圧縮性流れの解法に前処理法を適用すると、その極限的な状態として静止した気体を解くことができる。たとえば、無重力環境における気体などである。これは、速度場を完全にゼロにすることにより、支配方程式系が事実上単一の熱伝導方程式に帰着されるからである。このことを応用することにより、熱伝導係数をより大きな値にするだけで固体内の熱伝導も同一の支配方程式系により同時に解くことができるようになる。我々は、これまで研究してきた凝縮を伴う熱対流問題にさらに固体部分の熱伝導問題を考慮して、現在、凝縮を伴う気・液・固体の数理モデルと計算スキームの構築にも取り組んでいる。

計算結果 1

発表論文

新山 大輔, 山本 悟 , 前処理法による凝縮流体・構造連成シミュレーション, 第16回数値流体力学シンポジウム講演論文集(CD-ROM), 2002. pdfファイル

Satoru YAMAMOTO, Daisuke NIIYAMA and Byeong Rog SHIN, A Numerical Method for Gravitational Condensate Flows with Structure, Proceedings of the 5th Asian Computational Fluid Dynamics, (2003), CD-ROM.

Satoru YAMAMOTO, Daisuke NIIYAMA and Byeong Rog SHIN, A Numerical Method for Natural Convection and Heat Conduction around and in a Horizantal Circular Pipe, International Journal of Heat and Mass Transfer, 47(2004), 5777-5788.

Satoru Yamamoto, Preconditioning Method for Condensate Fluid and Solid Coupling Problems in General Curvilinear Coordinates, Journal of Computational Physics, 207-1(2005), 240-260.