前処理法に基づく熱対流問題の数値解法を、凝縮を伴う低速もしくは超低速流れの計算に拡張した。発電プラントや化学プラントにおける配管破損事故がこれまでにもいくつか報告されているが、配管内を通る湿り空気もしくは湿り蒸気流れが配管内壁に悪影響を与えていることが懸念されている。このメカニズムを解明するためには、配管形状や外部環境が、配管内部の凝縮とどのような因果関係があるかを明らかにする必要がありそうである。我々は、これまで飛行機雲や蒸気タービン流れの解析に用いてきた遷音速凝縮流れの数値解法に前処理法を適用して、凝縮を伴う遅い流れの数値解法を構築した。これを、配管を模擬した流れ場における湿り空気流れに応用して、配管形状や外部温度が流れ場に与える影響を数値的に明らかにした。
Kei Sakakura, Satoru Yamamoto and Yasuhiro Sasao,
Preconditioning Method for Very Slow Flows with Heterogeneous Condensation in
Mixing T Junction Channel, Proceedings of ASME Fluids Engineering Summer
Conference, FEDSM2005-77073(2005), CD-ROM.
Kei Sakakura and Satoru Yamamoto, Numerical and Experimental Predictions
of Heterogeneous Condensate Flow of Moist Air in Cooled Pipe, International
Journal of Heat and Fluid Flow, (2005), accepted for publication.