前処理法に基づく臨界点近傍流体の数理モデルと計算スキーム

 流体を高圧・高温状態にすると、気体・液体いずれとも言えない特異な状態、すなわち、超臨界流体になる。超臨界流体でも、特に臨界点近傍においては、極めて特異な性質、たとえば、急激な熱伝導率の変化、高化学反応性、音速極小、低粘性、高拡散、そして密度の急激な変化などが知られている。これら特異な性質をうまく利用して、革新的な機器開発を目指す研究を広く進められている。しかしながら、これら研究のほとんどが、実験を主体として行われているのが現状である。我々は、これまで構築してきた前処理法に基づく数値解法に、非理想気体の状態方程式として知られている、Peng-Robinson状態方程式を新たに導入することにより、臨界点近傍の超臨界流体を計算するための数理モデルならびに計算スキームを構築した。

計算結果 1,2,3,4

発表論文

Satoru Yamamoto, Preconditioning Method for Compressible Near-critical Fluids in Micro-channel, Proceedings of 3rd Int. Conf. on Computational Fluid Dynamics-Toronto, (2004-7).

Satoru Yamamoto and Byeong Rog Shin, PRECONDITIONED FLUX-SPLITTING METHOD FOR CONDENSATE FLOWS AND NEAR-CRITICAL FLUIDS, ECCOMAS2004-Jyvaskyla, (2004-7), CD-ROM.


Satoru Yamamoto, Masayuki Toratani and Yasuhiro Sasao, Preconditioning Method applied to Near-critical Carbon-dioxide Flows in Micro-channel, JSME International Journal, 48-3(2005), 532-539.