日経エレクトロニクス2016年6月号にFPGAによる津波シミュレーションに関する研究成果が掲載されました

日経エレクトロニクス2016年6月号に、佐野研究室で開発したFPGAによる津波シミュレーションの研究成果が掲載されました。最新のIntel(ALTERA)社FPGA Arria10を使用し、演算性能および電力あたり性能の両方でGPUを上回る性能を達成する津波シミュレーションアクセラレータの開発に成功しました。本成果は、国際会議COOLChips XIXでも高い評価を得Best Poster Awardを受賞しています。独自に開発した専用計算回路コンパイラSPGenによりArria10の浮動小数点DSPブロックを効率良く使用すると共に、超長パイプライン構成によるメモリ参照の低減により、高性能かつ低電力のシミュレーションを実現しました。また、FPGAによる津波伝搬計算結果をリアルタイムに可視化するデモンストレーションを開発しました。

Arria10 FPGAによるリアルタイム津波シミュレーションデモ
Arria10 FPGAによるリアルタイム津波シミュレーションデモ

津波シミュレーションといった実アプリケーションを専用ハード化した点もさることながら、会津大学との共同研究により他アーキテクチャであるGPUとの定量的な性能・電力比較を行った点が高く評価されています。今後は、FPGA同士を専用ネットワークで直結した「密結合FPGAクラスタ」を用いてさらなる性能向上を進める計画です。